こんにちは、事務局スタッフのテツ子です。

さて本日は、はぎビズ5周年記念セミナーの開催レポート第2弾をお届けいたします!
テーマは「伝建地区の空き家活用×地域活性の未来」。
前回の記事では、オープニングセレモニーの様子と第1部「浜崎の今までとこれから」をご紹介しました🌟
浜崎伝建地区が盛り上がり始めたきっかけを、地域性・守る人・興す人の3つのポイントから紐解いていきましたよ。


第2部はパネルディスカッション。
伝統を受け継ぎまちで暮らす「守る人」、外からやって来て新たなコトを「興す人」、そして専門的な目線から全国の町おこし事例に精通した有識者の方々にご登壇いただきました!
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お写真の左から、萩市佐々並ご出身の元NHKアナウンサー山本 哲也さま(ファシリテーター)。
文化庁文化経済・国際課長の寺本恒昌さま。
はぎビズを含む全国ご当地ビズの創始者、小出宗昭さま。
浜崎町で生まれ育ち、浜崎しっちょる会事務局の岩崎 政尚さま。
鎌倉で古賀邸を営まれ、浜崎でレストラン「舸子」や一棟貸し宿「閂」などを展開している新井 達夫さま。
獅子野センター長が誘致した「本と美容室」の書店や編集部門をご担当の瀬木 広哉さま。
(プロフィール詳細:チラシPDF

ファシリテーターの山本さまより、まずは「浜崎の第一印象」の投げかけからスタート。
浜崎でレストラン『舸子』を営む新井さまは
「古い建物がこれだけの規模で残っていることが本当に奇跡だと思いましたし、それなのに町の人々は穏やかに暮らしているのが凄いと思いました。」
とお話されました。
更に、レストランを経営している視点ならではの
「美味しそうな町だなと思いました」
という言葉には客席からも笑い声が起こりました。
海も近く、ここでレストランを始めたらきっと美味しい料理が振舞えるだろうなと感じられたそうです。

初めて浜崎を訪れたのが2~3年前という寺本さまは、当時の印象をこう話されました。
「人々が無理をせず、穏やかに暮らしている様子を感じました。全国の町や文化施設を見てきた中で、無理をしているのではと感じる地域もありましたが、浜崎では普通の生活が自然に実現している。それがすごくいいなと思いました。」
このお話に皆さま頷き、新井さまは
「無理をしていない、という言葉にとても納得です。突き放されることもなく、押し付けられることもなく、のびのびとやらせてもらっています」
と話されました。
このお話に共感されていたのが、1年前にオープンした『本と美容室』を営むアタシ社の瀬木さま。
「伝統や土地の歴史と切り離された環境で育ってきたので、地域のコミュニティにグッと引き寄せられるとちょっと辛いと感じてしまう。でも浜崎の人たちは、元からある伝統と溶け合いながら暮らしていて、それを押し付けてくることがない。興味があるなら、入りたいならおいで、と迎えてくださる距離感が凄く程よかったです」
と話され、これには新井さまも頷いていらっしゃいました。
これを聞いて、岩崎さまは
「自分たちは普通に暮らしているだけなので、それが凄いことなのかは分かりません」
と少し照れながらお話していらっしゃいました。

本と美容室は、収益性の低い書店とトップクラスの技術を備えた美容室を合わせたお店。
市が寄付受納後、何年も活用用途が決まらなかった空き家へ、獅子野センターがアタシ社さまを誘致しました。
「この事業こそ萩にほしい!」と獅子野センター長が強く感じた『本と美容室』の魅力を、瀬木さまはこう語られました。
「美容ってただ髪を切るだけでなく、その人の生きるエネルギーや挑戦するエネルギーを生み出し、後押しできるんです。一方で本は、時代や空間を隔てた誰かと触れ合っているような体験ができます。自分が感じていた違和感や生きづらさ、それが昔の全然違う地域で生きていた人も感じていたことなんだな、と勇気を貰えるのが本。美容と書店、全然違うものに見えて実は繋がっていると思います。」
さらに、
「事業者さんの本当の願いや目指したい形を、さまざまな知識をもって支援するビズモデルの在り方にも通じているように思います。」
とお話くださいました。
小出さまが
「浜崎の凄いところは、自分たちが活性化の成功モデルだと大きくPRしてはいないこと。ごく自然とこんなに凄いことをされていて、そこにビズモデルが関われていることに大きな可能性を感じています。この自然体の中で更に前進していただきたいですし、日本が求めている地域活性化や地方創生の大きなヒントにしていただけると思います。」
とお話されたことも強く印象に残りました。

内容を全てご紹介することが難しいのですが、
はぎビズができた当初の浜崎でのリアクション
お店同士でまちの新たな魅力づくりが自立して行われていること
これからの浜崎、萩への思いと可能性について 等々
ご登壇者それぞれの視点から1時間半に渡ってたっぷりとお話いただきました。

実際にまちで暮らし、働く人たちのリアルな声が交差して、とても重厚感のあるディスカッションだったと思います。
ご参加いただいた皆さま浜崎の伝統的な空気に触れながらも、新たな風が吹く前向きなエネルギーを感じていただけたのではないでしょうか。
地域を盛り上げるまちづくりのヒントや、お一人でも多くの方の「私たちにもできるかも」という思いに繋がりましたらこの上なく幸いです。

どうして浜崎に人が集まり、挑戦が生まれているのか。
「無理せずに溶け込める、ちょうどいい距離感と温度感」
という言葉が、ご参加いただいた皆さまの心にも静かに響いたのではと思います。
来てくれた人を大らかに受け入れて挑戦をそっと後押しする、一人一人の前向きな思いが風土をつくり、まちの元気に繋がっていることを感じさせていただきました。

第2部ではマイク音響の調子が悪く、後部席の方々は特に聞き取り辛くなってしまったことを心よりお詫び申し上げます。
本セミナーは録画をしておりますので、後日youtubeでの公開を検討中です。
こちらは詳細が決まり次第、ブログやInstagramにてお知らせいたしますね。

はぎビズが5周年を迎えられたことを、関わってくださった全ての方々に心から感謝申し上げます。
この度のセミナーは、萩市役所さま、萩商工会議所さま、浜崎しっちょる会の皆さまのたくさんのご協力のもと開催することができましたことを心より感謝しております。
これからもまちのプレイヤーとなる方々の想いを言葉に、形にするお手伝いをし、地域と繋げる存在でありたいと思います。
ご来場いただいた皆さま、本当にありがとうございました!



【はぎビズ】
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